電車に乗るとほとんどのいい大人がスマホをいじっている。一頃の子供が皆なゲームボーイをやっていた頃よりも異様で末期症状的世界。これだけ異様な世界が日常化していることが異常なのである。現在のゲリラ豪雨にもはや記録的などという言葉は当てはまらないにも関わらず、これを警鐘し続けなければならない気象庁がもはや日常になった現象をあえて記録的といい、非日常であることを訴え続ける涙ぐましい状況と同じである。
この異常さは「エスカレーターを歩く人間」・「信号を平気で無視する自転車」と合わせて、『人のマナー・モラルひいては人間性に対する三大末期現象』と言える。電車で本や新聞を読んでいる人の横に座ると『ここだけは人間の空間だ』と思えてしまう。

前置きが長くなったが、確かにネットが一番詳しい情報が取れる世の中、最近本を買う機会も以前より少なくなった。自転車のパーツ探し、カスタム例、ツーリングポイント等はほとんどwebで検索するので自転車好きの割には自転車の本や雑誌を持っていない。
本1んな中で久々に自転車の本を買った。『スポーツ自転車でまた走ろう!』。山本修二さんという方の著作である。
まず目についたのは、『スポーツ自転車』という言葉に対する写真。普通ならロードバイクにヘルメット・サイクルウェアが出るところだがリジットMTBにトレッキングスタイル、走っているのはちょっと地方の土手道などにある整地された未舗装路。これだけでおやじの興味をそそるのだが、中を開いて目次のタイトルを見て衝撃。
『さらばロードバイク至上主義』。常々ロードレーサー至上主義に抵抗を感じていたオヤジには、まさに神の啓示そのもののタイトルである。
この本では『スポーツバイクをユルく乗る』(だらだらではない)ことの勧めを中心にノウハウが紹介されている。


『ア本0ップライトなポジションの勧め』
『パーツを組み替えて様々な用途に対応』
『お尻が痛いのは本当にサドルのせい?』
『中高年は重たいギアを踏んではいけない』
『走るだけのウエアより、一日を快適に過ごすウエア』
『大型バッグを背負うと遊びが広がる』‥‥等々

ロングランはロードバイクに限るという圧倒的な一般論に反抗的なおやじにとって、また長年試行錯誤して少し見えてきた問題などについて、『目からウロコ』の内容である。
さすがにいまシングルギアにプロムナードハンドル・MTBタイヤにする勇気はないが、自然や観光スポットを満喫する究極のスタイルはここかも知れない。
『スポーツバイク=何も考えずロードレーサー』。それはそれでいいと思う。でも自分の自転車スタイルとロードバイクの間になんとなく乖離を感じるおやじタイプの方は是非一読をおすすめする。

ちなCIMG8703CIMG8704みに、オヤジには自転車バイブルというべき2冊の本がある。
『MTBメンテナンス』
2008年購入。TS−7を自分でいじろうと思ったとき、ど素人ながら何かわかりやすい本を探していて出会った本。もちろん今でも自転車いじりの際は傍らに置いておく。
その当時はクロスバイクメンテなんて本はなかったから、ロードバイクメンテではなくMTBメンテを選んだことが、その後の自転車スタイルを象徴しているのかも知れない。
もう1冊は『自転車ツーリングビキナーズ』。2010年購入
この本を買ってすぐに、入院生活となったため、闘病中ずっと読んでいた。自転車に乗れる体に戻るのかわからない手術直後に、この本で出会ったMR−4に一目惚れ。退院後すぐに購入し、今日まで愛用している。今でもこの本は『しまなみのユル旅』へと誘う。

古いスポーツ自転車でまた走ろう雑誌も含めて自転車本は十数冊しかない(カタログは毎年サイクルモードで収集するので別)我が家であるが、この『スポーツ自転車でまた走ろう!』は第三のバイブルになりそうである。





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