TOHOシネマズ2TOHOシネマズ1新宿に『Fetih1453』 という映画を見に行く。
東宝シネマではない。
来週オープンの東宝シネマの新しいゴジラ像。ゴジラは50m。子供のころはあれだけ巨大に見えたゴジラも、巨大都市東京の中では完全に隠れてしまう。
そのゴジラなら一撃で粉砕してしまうであろう壁の制圧に15万の兵力を投入したコンスタンチノープル攻防戦を描いた2012年のトルコ映画が『Fetih1453』である。



Fetisinema-20150411hとはトルコの言葉で征服という意味で、1453年はオスマントルコが、ローマ帝国(ビザ ンツ帝国)の帝都コンスタンティノープル(トルコ式にはコンスタンティニエになるようだ)を征服した年である。
古代の終焉からまさに中世の終焉まで、1,000年にわたり栄えた東ローマ帝国の最後の戦い、コンスタンチノープル攻防戦を攻める側のオスマンの立場から描いている。
ビザンティンファンとしては、常々コンスタンチノープル攻防のスペクタクルを見たいと思っていた中、トルコ側から描 いた最近の大作があることをオフィシャルトレーラーや投稿動画で知った。些か抵抗があるもののこれはぜひ見てみたくなった。
何故抵抗があるかって?。タイガースファンが、ジャイアンツが主役でタイガースがコテンパンにされる映画を見るようなものですよ。
トルコと日本は、オスマン帝国時代からの友好国である。トルコには親日派の方々も多い。日本人はイラン・イラク戦争でトルコから受けた恩義を忘れてはいけない。
しかしオスマンとビザンツというと、ビザンツの悲劇性に共感してしまう日本人は多い。オヤジもそのひとりである。何か日本人の深層には「判官びいき」や「滅びの美学」に共感するものがあるのだろう。

さて、その『Fetih1453』だが、日本でケバブクレープは劇場未公開映画だ。残念ながら、吹替えや字幕スーパー付DVD等もない。原語版か英語字幕版(やっぱようわからん)しかないと思っていたら、近々日本語字幕で上映するところがあることがわかった。
新宿にあるトルコ文化センター。トルコ語レッスンや文化の紹介や留学・旅行の支援などを行っているところで、トルコ映画の上映会も頻繁に行っているようだ。 http://www.turkeycenter.co.jp/
1,500円でケバブとドリンクとポップコーンつき。ケバブってどんなもの?。検索するとさまざまなレシピが出てくる。これも興味の一端ではあった。
出てきたのはケバブラップ(クレープ風)。これはやみつきになりそう。


近年fetih1453 dの歴史ものスペクタクルとしては『レッドクリフ』あまりにも有名だ。赤壁の戦いは三国演義などにより日本ではポピュラーだが、中世西洋の物語、真のローマ帝国滅亡、コンスタンティノープル陥落戦はほとんど知られていない。
この赤壁にも劣らぬ多くのエピソードとヤマ場を持った物語を、25,000人のエキスト ラと、CG合成をふんだんに使った160分の大作映画として仕上げている。
前半は戦いの前の双方の利害や策謀、物語の伏線となるラブストーリなどが緩やかに臨場感を高めていく。
そして、ほぼ半分を境にしてコンスタンティニエの攻防戦に突入していく。
あれっ、壕って最初からなかったっけ?

fetih1453 ffetih1453 lGはコンスタンティニエの街の風景なんかがジオラマ的だったが、大城壁を前にした攻防戦なんかは迫力満点である。




fetih1453 h楽映画としては見ごたえたっぷりで文句なく楽しめる映画なのだが、全体的には長い映画の割に展開がバラバラな部分がある。燃盛る艦隊と敵船に向かってぶち切れするメフメト2世のシーンがいきなり出てくるが、どうしてこうなったかが全然出てこなかった。
ビザンツびいきとしては、数隻のビザンツ連合艦隊が百艘を超えるオスマン艦隊を翻弄させる海戦シーンも見たかったところである。
攻防戦のターニングポイントとなるガラタの艦隊越丘作戦に至る経緯や、ビザンツが起死回生の一手とした金角湾の夜襲作戦などが端折られてしまっている。

fetih1453 k砲ウルバンの威力は遺憾なく描かれているが、ウルバン砲って宇宙戦艦ヤマトの波動砲みたいなものだから、「これからうつぞ〜」ってときの発射までの装填や準備などをもっと仰々しくやってほしかった。連射できない唯一の弱点がわかりずらい。
しかしその巨砲の威力をもってしても、映画のように一発で城壁を大破させることはできなかったのが史実のようだ。
ところで、長らくビザンティンが世界を恐れさせた超兵器『Greek fire』はどうしたんだろう。映画にはちょっとだけそれらしいシーンがあったが、『Greek fire』が健在だったらビザンティンの防衛戦はもう少し変わっていたかもしれない。
fetih1453 cンスタンティノス11世ファンのオヤジ的にはビザンツ側の描かれ方がやはり不満。
正教徒とカトリックの対立や、バチカンやジェノバとの駆け引きなどの史実を取り込んだうえで、ビザンツ側の描写もかなり公平さを出してはいるが、コン スタンティノス11世の人間像は、メフメト2世の人間味あふれたキャラに対してはやはり敵役としての演出が強い(トルコ(征服した側)がつくるのだから当然なのだが)。
史実(かどうかは疑問だが)では、最後まで残った市民・兵士たちの意志を代表してオスマンの降伏開城勧告を拒否したコンスタンティノス11世は、聖ソフィア寺院で最後の祈りをささげ、ともに生死を誓った家臣・民衆に声をかけ頭を下げたという。東ロfetih1453 jーマ1千年の幕引きを一身に背負う覚悟をしていた最後の皇帝は、ハサンが城壁の頂上にたてたオスマンの旗をみて、最後まで付き従ったわずかな守備兵とともにオスマンの大群の中に消えていく。ビザンツ側の最後のハイライトになるべき、聖ソフィア寺院で最後の祈りと、コンスタンティノス11世の最後のシーンがなかったのも残念。


fetih1453 gス トのハギアソフィア寺院のシーンは、まさにメフメト2世が英雄となるべき感動的なシーンでよかったけれど、史実からみるとやはり『ありえなーい』場面である。
何よりこれではコンスタンティノス11世が気の毒すぎる。
陥落後のコンスタンティノープルはトルコ兵の略奪を受け多くの血が流されている。市民の多数は奴隷として捕獲されてしまった。ラストのシーンはある意味オスマンの宗教政策を象徴してはいるが、メフメト2世が略奪禁止令を出したのは、自軍の略奪がひと段落したことと、コンスタンティノープルの価値、今後の戦略上に他ならない。
トルコ軍の略奪兵が迫る中、多くの民や敗残兵、外国人居住者らが、最後まで踏みとどまっていた友船でコンスタンティノープルを離脱している。これはビザンツ側から見るとエンディングにふさわしい感慨深いシーンになるのだけれども、征服される側をあまりに劇的に描いてしまったら、英雄が英雄でなくなってしまうからまずいよね。

まあ、fetih1453 b歴史は歴史、ドラマはドラマ。そんなへ理屈など巨砲一発がぶっとばしてくれる久々に楽しめる面白い映画であった。音楽もよかったし。これだけ攻城ドラマとして楽しめたのは、『のぼうの城』以来である。
もう少しスクリーンが大きかったらもっと迫力があったのだろうが。
あまり重要な伏線ではないのだが、親バカおやじが一番感動したシーンは、メフメト2世出陣のシーン。冒頭の父ムラトへの言葉と相まって、最も目頭が熱くなるシーンであった。
改めてオスマンとメフメト2世、それと『ケバブ』!のファンにもなってしまいそうである。


ぜひ日本語吹き替えで観てみたいものである。

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