昨年暮に小説『Raise The Titanic』を読んでからタイタニックにはまってしまった。我が家の物置の奥の寸断されたVHSテープには映画『Raise The Titanic』とおそらくテレビシネマから録った『忘れえぬ夜』がある。もう20年以上見ていない。ボンドや補修テープでつなぎ合わせれば見れるのだろうが、ビデオデッキそのものが壊れて動かないまま。『忘れえぬ夜』はDVDされているようだが『Raise The Titanic』は再生手段がない。
今年はタイタニック海難事故から丁度100周期にあたる。
ということでもないが、今年の誕生日プレゼントは中古DVDにした。

中古DVD一つは『タイタニック』。結局親父は今までこの映画を全編通してみたことがなかったのでいまさらながら購入。いまさらだけど800円なら安いもの。解説は不要だろうが、今見てもたいした映画だね。当時より見る側のテレビもよくなっているからね。
さて、もう一つは『ブリタニック』。1,300円はタイタニックより高い!さぞ凄い映画なのだろう!
といってもどんな映画なんだ?タイタニックより新しいのに記憶にない。タイタニックと関係あるの?
ブリタニックという船自体がメジャーではない。ジャガーノートにでてくる豪華客船じゃないぞ(ジャガーノート自体知らないかも)

歴史上のブリタニック号は本来『ジャイガンティック』という船名で、オリンピック級3番船(2番船がタイタニック)として建造された船で、タイタニックの沈没を受けて、問題箇所の大幅改造が為された。二重船底・防水隔壁の強化と救命ボートの増載。名前もブリタニックに変更され、外観はタイタニックと同じだが、今度こそ浮沈船となるべき船だった。ブリタニック実写
しかし、この船は一度も定期商船として就航することはなく、第一次大戦勃発により病院船という名の軍船として徴用された。そして地中海で謎の沈没事故を起こす。機雷ともUボートの魚雷によるものともいわれたが、設備が機能していれば1・2発の機雷や魚雷で、しかもタイタニックの1/3程度の時間で沈没してしまうのは謎とされてきた。この映画は、その辺をスパイの破壊工作と結びつけてストーリー展開をしている。タイタニックの事故があまりにもショッキングでセンセーションだったため、後世にも強烈なインパクトを与え続けているが、進水直前の大改修・船名変更・軍船への徴用、そして謎とも言える短時間での沈没と、船としての悲劇性・悲痛性は船体を白亜に塗り替えられたブリタニックのほうが強烈かもしれない。

映画では、巨大なブリタニック号やUボートなどは全てCGで再現されている。ブログなどではCGがちゃちいとか、スパイものとしては設定がお粗末過ぎるとか評価は散々である。
それでもタイタニックより大枚を叩いて買おうとしたのは、YouTubeでみたブリタニックが「結構いいじゃないか」と思ったからだ。結構いいキャストもでてるし。船長のジョン・リス・デイビスがいいよね。
CGも確かにCG丸出しだけど、話が面白ければ許容範囲だし、なんと言っても音楽がいいよね。タイタニックより絶対いいじゃないか‥‥・ ・ ・
ブリタニックCGと思って購入したのだが、そこには映画のスパイ戦以上の罠があった‥‥
ストーリーは結構面白い。タイタニックみたいに泣き泣き見る必要ないし、むしろ気楽に楽しめる。ちゃちいCGだって大きな画面で見ると結構迫力あるし(ただしUボートの潜望鏡だけは本物使ってほしかったが)。
でも、最後まで見てもあの曲が入っていない!カットされているの?それとも別バージョンのもの‥‥?あの曲はなんなんだ!

航海(後悔)先にたたず。気落ちしてからいろいろ調べてみた。
YouTubeでブリタニック沈没シーンにクロスオーバーしているのは『ナイトウィッシュ』という北欧系バンドの『Sleeping sun』という曲。奇しくも発表は『ブリタニック』と同じころのようだが映画ブリタニックとは関係ないらしい。
YouTubeにやられたぁと思うより、ブリタニックとこの曲をクロスオーバーさせた投稿者のセンスの素晴らしさに敬服するべきだろう。画像とメロディ・歌詞がまさにシンクロしている。この曲が本編に挿入されていたら、この映画のできばえは数段上の素晴らしさと感動を与えてくれたろう。

タイタニックブームに肖った節は多分にあるけれど、素材をタイタニックと同じオリンピック級にもってきているだけで、金を掛けたからといってタイタニックと張り合う内容ではない。
もっと費用を掛けて、内容も凝らしたら、あの名作『ヒンデンブルク』なんかに向う脛を張れたかも。(ヒンデンブルクも忘れられてたりして‥‥)
まあ、ストレスなしに見られる娯楽映画としてはよい。CGも質感がまるでないというよりも、ストーリー展開のおかず程度に思って、この「お、CGまあ綺麗じゃん」くらいに見ておけば納得できる。

親父にとって、この映画の唯一の汚点は、CGがどうとか、ストーリーがどうとかではない。あの『Sleeping sun』がクロスオーバーされていなかった、またまた個人の勝手な早とちりな点に尽きる!

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